今週はちょっと某の準備とかであれなのでもろもろざっくりめに。
なんか映像作品を沢山観てしまった。
『フェアな関係』兼桝綾
文学フリマで買った本。
冒頭の表題作(短編集なので)を読んで、面白いけど物足りないなと思って読み進めていたら実は三部構成になっていて、展開的にも着地的にもおかしくてよかった。
『冬闘紛糾』って労働組合内の人間関係の話と『私より運命のひと』という恋人ではない男女の別れの話が好き。
『ケイコ 目を澄ませて』三宅唱
生まれつき耳の聴こえない女性ボクサーの実話をもとにした映画。よかった。
健常者の人間が普段認識すらしていないような環境音への感覚が鋭敏になるような音響のつくりと岸井ゆきのさんの面構えの緊張感がある。岸井さんの終始不機嫌そうな顔と時おり見せる笑顔。
『NOPE』ジョーダン・ピール
映画館で観ないとたぶん楽しくなさそうなやつっぽかったので。早稲田松竹で。
全体について一言でざくっと言えば得体のしれない何かと戦うってだけなんだけど、視る事と視られる事とか、映画産業についてとか、アメリカにおける有色人種のこととか、いろいろな要素について逡巡させられて、テーマ的なものを一言で片づけられない多層的な話だった。
最終的に主人公たちのやっていることが映画作りみたいになってるのも面白いし、ものすごく間抜けでものすごくかっこいいという絶妙なバランス感覚なのがとてもいい。
『ブラックフォン』スコット・デリクソン
これも早稲田松竹で。電話でメッセージが届くことになんの理屈もない力技的展開にちょっとモヤっとしたが、最終的な解決がもっと力技みたいで流石に笑った。さんざん色んな事やってそれかよっていう。
妹の口が悪いっていうギャグもいいと思う。
『ガンヘッド』原田眞人
子どもの頃ボンボンの映画紹介的なページの写真がかっこよくて、記憶に残ってはいたが見ないままでいたのを、ようやく、ものすご~くなんとなくな思いつきで見た。
キャリア初期の原田眞人作品なんてきっと見づらいんだろうなと思ったらほんとに見づらかったし、監督にナチュラルなセリフ回しをオーダーされたという駆け出しの高嶋政宏さんのセリフが終始聞き取りづらくて大変だった。
それでもポイントポイントでは確かにかっこいいところはあり、不思議な映画。
『エルピス』#1~9
絶対見た方がいいよなーと思いつつほったらかしにしていたのを、こちらは最終回もそろそろみたいだしという事で、意を決して見始めたら、ただただ面白くてそのまま最新話まで観終えてしまった。2話の三浦透子さんが長澤さんに訴えるシーンの求心力が凄くて。
現実の事件や政治やメディア状況を想起させるようなつくりは素晴らしいが、このくらいは特別なもののように誉めそやさずに、普通にやって欲しいという気もする。そういう大きなものを批判して下がる溜飲よりも、特に序盤に突きつけられる、自分たちが日々見て見ぬ振りをする集積でいろいろダメになっていっていることは社会のあちこちにあるのだ、みたいなあれこれが今作の本質だろうと受け取った。
きわめて麻生っぽい大門のキャラクター以上に、劇中のバラエティ番組『フライデーボンボン』のそれっぽい薄っぺらさがよい。ただ「落ちこぼれ達の受け皿」と表現されるその番組のにぎやかし的ひな壇女性タレントの1人に元乃木坂の川村真洋さんがおり、そこにはきっと制作側としても彼女のキャリアを知った上でここに起用しているであろうことは想像できてしまい、何とも言えない気持ちになったりもする。
長澤まさみさんが歌うシーンはだいたい最高。
買った
- WILIDTHINGS モンスターベスト
- Teton Bros Tensleep Shirt
- TUISS DÉCOR ロールスクリーン