2023年1月1日から12月31日まで。なんだか大きな部分で去年とあんまり変わんなかったような気がする。

生活

実家の部屋から同じ建物のだだっぴろい部屋に引っ越して、いわゆるこどおじみたいな状態を脱した。ほぼ毎日親の顔見てるけど。
それはともかく、こういうイベントもそうなかろうという事で、机と椅子と本棚なんかも新調したりして金がばんばん吹っ飛んでいったけど、どれも気に入っているので後悔は微塵もない。

またようやく人と直接会ったりする機会が増えてきたような感じ。それでもだいぶ少ないとはいえ。

その他、コーヒーにやや踏み込んで、ミルやドリッパーに金を突っ込んだり、近所で焙煎してるコーヒー豆屋を何軒か開拓して馴染み面をするようになったりとかもした。

インターネット

特にこれと言って個人的に大きな動きはないが、強いて言うならTwitterがより厳しくなったのでより距離を置くようになった。
Twitterと距離を置くことについて去年は「精神的な安寧を得たというよりは淡白になっただけかも」なんて事を書いていたのだけど、やっぱりストレスはだいぶ減っているんじゃないかと思い直している。

とは言えある程度受動的にいろんなニュースを知る手立ては欲しいので、Feedbinに課金してフィードリーダーを15年前と同じくらい使うようにはなった。そのほか、朝日新聞だったりCOURRiER Japonだったり、ラジオでなんとかニュースに触れる程度だと、大事なところを見落としてるんじゃないかという物足りなさのようなものを感じたりもするのだけど、それでも自分自身の精神衛生的にはこの位の摂取量が一つのラインなんじゃないのかなと思う事にしている。
あんまり細かく色んなニュースを知って、その憤りをSNSにそのままぶつけたとて、その事柄についてまだ知らない人が知るきっかけになる程度のことはあるだろうけど、それがネットの外にまで波及するようなうねりになる事はあまりなさそうだし。もっとインターネットの外でやれる事を考えないといけないのだと思う。

あと細かいところでメールサーバーをさくらに移したりもした。

仕事

別に自分の舵取りとは関係なく、たまたまよく仕事をさせてもらっている人たちが、いわゆる商業アニメ、テレビアニメのエンディングだったり1パートを依頼される事が続いたので、そうした作品に関わった事が印象に残る年になった。
その結果、いつもよりも沢山ひとの感想を目にする機会も多く、それで舞い上がったり嬉しくなるようなことはそこまでないのだけど、人の受け取り方について考えさせられたりもして興味深い。

ただ人目に多く触れるからと言って、そういうスケールで経済的に潤うかというとやはりそうでもなく、「これどこで流れるんだろう…?」みたいなCMの素材をちょろちょろ作ってた方が、実入りは良かったり負荷が小さかったりするから難しいというかなんというか、こればっかりになるとちょっと大変なのかなとは思ってしまう。

まあとは言え今年の仕事のハイライトの一つであるトットちゃんなんかは、当初の予定よりも延びに延びたし作業も膨大で大変だったものの、期間中先方からそこまでせっつかれる事もなくて、思い返せば異常に贅沢な時間だったように思う。

音楽

例によってYouTubeとYouTube Musicのフィードで目についたものを雑に聴いていただけだけで、2023年なにがどうだったみたいな事は言えないのだけど、とりあえずXGがかましまくってたのとtripleSのリリース量が異常だった。聴いた回数的にも印象的にもMVPはCitizen Queenかも。

下はYouTube Musicで高評価を押していた履歴の中から今聴き直してもいいなと思ったものから20曲選んだプレイリスト。

文学フリマで買ったような小さなものも含めて39冊読んだらしい。その中で印象的だった3冊。生き方というか自分の物事への向き合い方で言語化できていなかったものや、その裏で目に見えていなかったものについて光を当てられたような感覚があった。

『推しって呼べない』は平岡直子さんのテキストが特によくて、彼女だったり晶文社のウェブでの連載を楽しみに読んでいた堀静香さんのような短歌やってる人のエッセイが凄く面白いということにを知れたのもとてもよかった。

フィクションは『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』が断トツ。

ドラマシリーズ

ドラマは全然観なかったんだけど、全部観たやつは全部観ただけあってどれも良かった。

中でも『今夜すきやきだよ』は主人公の1人がフリーランスの絵本作家・イラストレーターという、自分の境遇と近いとも言えないけど普通の勤め人よりはだいぶ遠からずな背景だったり、人生が恋愛では駆動していかないが故に周りから立ち遅れていくような錯覚を感じるところだったり、登場人物たちにいくらか自分を重ねてグッと来てしまうポイントが多かった。蓮佛さんは言わずもがな、トリンドル玲奈さんがとても良かった。

自分を重ねて見るという意味では、40歳実家に引き籠り男性が主人公という『0.5の男』にも食らいまくった。母親の付箋というモチーフがもうだめ。加えてこのドラマの西野さんは西野さんの芝居史上今のところベストだと思う。

映画

映画館で観た新作映画に至っては12本くらいしか観てなかった。これでもひと頃よりはフラッと観に行くフットワークを取り戻しつつある。
そんな中で選ぶとって感じなんだけど、楽しくて特に好きだったのが上の3+1本。

『君たちはどう生きるか』は本当に観ながら考えさせられる事が多いのと同時に、観ながらどこに連れていかれるかわからない不安と高揚が物凄かった。あらゆる他人の批評を拒否して自分の中で感じた事を大事にしたいと思える生涯の1本なんじゃないかという気がする。

これは半分こじつけだけど、上にあげた作品はどれも、役者やアニメーターが身体をあのように動かしているのではなく、物語上登場人物の身体はあのように動くしかないように感じられる気がするのも映画のアクションとしてとても良かった。

プロスポーツ

主にMMAと自転車。

MMAはいかに振る舞いがしょうもなくても強いやつは強いっていうのをジョン・ジョーンズとチマエフに見せつけられた。チマエフがウスマンとやった試合の1Rはこれまでのウスマンが見せてきたウェルター級の試合の数々は一体何だったんだって思うしかないようなやつで笑うしかない。
あと買収されてしまったBellatorにおいていよいよ敵がいなくなってきたパッチー・ミックスや、何は無くともクレベルを処理した金原も印象深い。

自転車ロードレースは去年から春と秋のクラシックも観るようになって俄然楽しい。その主な要因は、俺たちのマチューファンデルプールの存在がデカいわけだけど、今年もマチューの大暴れが見られて満足。特にパリ~ルーベと世界選手権の勝ちっぷりが気持ち良かった。マチューを見てるとワウトもユンボの駒に成り下がってないでもっとわがままにやってるところが見たいと思ってしまう。
それから、クラシックを勝ちまくっていたのはポガチャルもそうなんだけど、ポガチャルの場合なによりもツールでヴィンゲゴーにズタボロにされてしまった事がどの勝ちレースよりも強く焼付いていて、17ステージ終盤のロズ峠において彼がチームの無線で発した「I’m gone. I’m dead.」という完全敗北宣言は今年あらゆる分野を通して一番ぶっ刺さった言葉。

ゲーム

  • 『仁王2』
  • 『ARMORED CORE VI』
  • 『The Cosmic Wheel Sisterhood』

AAAタイトルも出まくった年であるにもかかわらず、一番はまったのは旧作の仁王2。

ゲーム下手だし、ソウルライクなんてもってのほかだと思っていたのが、この手のゲームの感想としては月並みな感想を言ってしまえば辛抱強くやっていくうちにプレイの仕方がわかっていくという経験がほんとにとても良かった。   また単純なプレイでの攻略とは別にビルドでいろんなバフをかけられるような遊びあったりするのも自分には合っている。   多分仁王2を最後までやってなかったらARMORED CORE VIも序盤というかチュートリアルの時点で放り投げてしまっていただろうし、少し遊べるものの幅が広がった気がする。

ベストグラフィックは『Blanc 白き旅』。ゲームそのものはあまり面白くなかったけど。

道具

  • 1Zpresso X-pro
  • TORCH Pitchii

所謂ベストバイ的な。
振り返ってみるとPC周りのデジタルガジェットはそんなに買ってなくて、でかいところでマザーボードだったりCPUだったりRTX4070Tiなんかを買ったけど、これによって何かがスパッと便利になるというものでもないので、もうちょい日々の生活に関連して買ってよかったものって事でコーヒー器具をあげたい。

X-Proはコーヒー豆を挽くミルで、これまでハリオやカルディの安いやつでは難儀していた浅煎りの硬い豆をザクザク粉砕できるのでめちゃくちゃ助かった。

Pitchiiはガラス製のサーバーなんだけど、よくある取って周りにプラスチックが使われてるせいでそこに汚れが溜まってしまうなんてこともない上、注ぎ口の湯切れも鮮やかなのが最高。

その他でかめのもので机とか椅子なんかも買ってはいるけど、まだ1~2か月だしもうちょっと使ってから。


以上になります。
その他観たものや聴いたもの全体のリストはScrapboxをどうぞ。
https://scrapbox.io/isbsh/2023_seen,_read,_played

年末に自転車いじったり新たに組みたい欲が湧いてきたので、来年はもっと自転車に乗りたいです。
良いお年を~。