Week50 : Fine, you do it then.
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2025.12.8~14。
今年のThe Game AwardsはClair Obscurばっかりが受賞してて例年以上にになんだかつまんね~…などと思っていたら、ジョナサン・ブロウの新作が発表されてテンションが上がりました。ただ他に発表のあった大作っぽいタイトルはどれも似たりよったりな感じだった気がしなくもなし。 仕事は今週と来週前半を乗り切ればおちつきそうです。
先週終わってしまった『ひらやすみ』につづいてこちらも今週で最終話。 とても面白かったし、人が社会の中でどう生きようとするのかということについて誠実な幕の引き方でよかった。
たまたまなのか裏で仕組んでる人間が要るのか知らないけど、どちらも高円寺とか阿佐ヶ谷とかあの辺の街の話で、なんならそれぞれの原作を描いてる漫画家は夫婦でもあるらしく、すごいですねっていうかなんていうか。2つの作品が扱っているテーマそのものはそこまで一致するものではないと思うのだけど、明確な悪者を作らない心地よいマイルドな空気感はとても近くて、片方が好きな人はもう片方もたぶん好んで見ていたんじゃなかろうか。たぶんだけど。 また、どちらも良い評判をよく目にしていたので、そのマイルドな空気感っていうのがすなわち今のムード、っていうか今求められてるムードってことなんだろう。
一方でこのドラマの「固定化された旧来的なジェンダー観からの解放」みたいな部分にフォーカスしてみると、その心地よいマイルドさ、具体的に言えば男性の加害性をぼかしてだれも悪者にしませんよみたいな態度は、ただ単に手ぬるいものにしか感じられないという意見があるのも、それはそれでわかるような気もする。
ひたすら変化していく過程がチャーミングだった勝男の描写だけをピックアップして、鮎美についてはその変化の本質的な部分を汲み取らずに、「あんだけ成長した勝男が差し伸べた手を払いのけるなんて許すまじ」みたいな感想であるとか、あるいは「結局女性の社会進出を描くには至っていないイコール当事者を真にエンパワメントする作品ではありませんでした」みたいなことまで言ってしまう評価が一部にあるのは、どっちの方向も全く理解できないわけじゃないんだけど違和感があって、もうちょっと踏み込んだところにこの作品の本質ってあるんじゃないのと思ってしまう。
最終話で鮎美が勝男からの提案を拒んだのは、あそこで勝男の優しさを受け入れてヨリまで戻してしまえば、この先の人生でどこかで手を差し伸べてくる勝男を頼ってしまうことを自分で想像できたのだろうし、それでは結局元の自分の皮を破ることが出来ないと感じられたのではないか。もちろん鮎美の始める事業がより確実に成功してほしいと思えば、力になってくれる人の、それも勝男のような人間性も能力も併せ持ったような人の手なんてものはきっと借りた方がいいのだろうし、直接手を借りないまでも定収入のある人間との結婚がセーフティネットのように機能してよりチャレンジすることだって出来そうなのだから、それをすればいいじゃんというのはわかる。 わかるけども、この話が人がどう生きようとしているか、どうあろうとしているのかを尊重し肩を押す物語だと捉えれば、「社会的な成功」とか「恋愛の成就」みたいな話よりも鮎美にとって大事なことがあったんじゃないのと思うし、そこを無視してああしろだのこうすべきだっただのと登場人物に対して観客の側が言ってしまって何がフェミニズムなわけ?とさえ思う。
なので自分はあの終わり方で本当に良かったと思っています。
まあしかしそんな解釈の摩擦を生むのもきっと竹内涼真さん演じる勝男があまりに魅力的過ぎたせいなので仕方ないんだよな。素晴らしすぎた。 また竹内涼真さん以外にも配役のはまっているキャラクターが多く、中でも杏花さんの演じていた南川は、勝男が変わる直接のきっかけを作ったり仕事のピンチも助けたりと役割も大きく、かといってそういった物語進行上で必要な単純なキャラクターでなく、南川自身も変化の余地がある魅力的な人間として描かれていたのも良かった。そんな南川を演じたことで杏花さんの認知と評価が爆上がりしたっぽいのも嬉しい。
このへんでしょうか。
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- 『探偵さん、リュック開いてますよ』(テレ朝 / 金曜23時15分 / 主演 松田龍平 / 監督, 脚本 沖田修一)
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