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isbsh

Week15 : Vanity of Cyclist

Table of Contents

2026.4.6~12。
ほぼほぼ終わりの見えてる仕事を流しつつデモとか行った。

デモ

現状の世界情勢とか国内政治に憤りはありつつも、盛り上がっている国会前でのデモは訴えてることの幅が広すぎる気もして接続しづらいところがあったのだけど、まあそれでも政府に不満があるならとりあえず行ける時は行くのがいいんだろうということで、水曜の夜は国会前へ。

とは言えやっぱり既存の集団に入ってって一緒になって盛り上げたいなんてレベルまで気持ちが高まってるというわけでもなし、そもそもどんだけ正しいことを訴えようが集団で一方向に向かってくような運動については常に警戒感とか生理的に受けつけにくさもあるし、なによりただ足を運んで突っ立ってるのもかったるそう。なんて気分にくわえて、今回に限らず毎度国会前のデモについての報道を目にした際、内側にいる人が感じているほどの熱が届いてこない気がするのは、やっぱり歩道に押し込められて車道がぽっかりガラ空きになってるビジュアルのせいっていうのもデカいんじゃなかろうか、ということでそのガラガラの車道を有効利用すべく自転車で国会周辺をグルグル廻ってみるスタイルで参加してきた。

ただひとりでプラプラ走ってる分にはあんまり強く止められることもないだろうけど、それでもデモの申請上は車道の使用許可なんかは取っていないはずなので、おおっぴらに参加してる風の動きは控えて、デモ側から見ても警察側から見ても参加してるのかどうかよくわからない、まさに半身での連帯の示し方ではあったけど、自分の距離感としてはなかなか居心地がよかった。警察もデモの管理の方が大変そうなので多少適当に走っていようがこっちのことなんてそんなにちゃんと見てないし。

実際に周回してみると正門前のあの直線の群衆の迫力は結構すごくて素朴に驚かされる。特に現地で見るまではあまりその有用性を理解していなかったサイリウムやペンライトによって、そこに人がちゃんといることが分かる効能って普通にデカいんだなってこととか。また女性の声が多いのもすごく印象的で、それもきっとライトを振ってることで声を出しやすくなったりとかもするのだろう。馬鹿にしてる人は実際見た方がよい。

というこの日自分が見た景色って絵としてたぶん人を動かす力があると思えたのだけど、そんなに世間で映像記録として共有されてないのももったいない気がしたので、今度行くなら記録したいなってことで少しアクションカムが欲しくなってしまった。

また、走りながらこうやって公共空間で適度に外側というか曖昧な境界をフラフラしていれる感覚ってまさに自転車乗る大きな理由の一つだよななんてことも考えたりもした。
まあそれは自転車乗りのうぬぼれであり錯覚なのもわかっていますが。こういう錯覚を感じる瞬間の気持ちよさは確実にある。

みずうみの満ちるまで

いわゆる静謐で救いのないディストピアSFで、舞台となるヘブンズガーデンという場所の設定こそやや現実離れしてはいるのだけど、物語中の世界が抱えている問題は現実の気候危機とか難民問題や社会格差が直接つながったものなので、そこまで好みの雰囲気のものではなかったものの最後まで興味を失わずに面白く読めた。

モチーフとして限界の来た世界から富裕層が逃避する先としてのデジタル上の仮想空間という装置が出てくるのだけど、この作品に限らずこの手の設定を見ると、わざわざ人格をデータ化した世界で現実と同じグラフィックを描画するのって意味あるのか、あってもコストパフォーマンスに見合わなさ過ぎるんじゃないかなんてことをつい思ってしまう。
という話をClaudeとGeminiに投げてみると、確かにそういう面もあるけど必ずしも全部が全部レンダリングされていなくても描画された世界として成立可能な方法はあるはずだし、なによりビジュアルによる空間識が人間性とか自他の境界を維持するために必要になっている部分は必ずあるはず…といったツッコミが入ってそれは確かにとなった。

似たようなひっかかりは以前読んだ笠原千波『風になるにはまだ』でも感じた話だったのだけど、そう考えてみるとデジタル化によって現実からの自己の連続性が絶たれることで、ないと思われていた仮想世界上での死があって…みたいな設定も強度が増してまた感触が変わる気がする。

…思うに、これは人間知性そのものが抱えた致命的な欠陥なのだ。生き物は生存のため、安全と安定を求める。混沌を逃れ、不確実さを排除したいという、その本能的な欲求を、人間の知性は増幅してしまう。その結果が排他性であり、支配欲だ。そして戦争へ、飽くなき蓄えへと人間を駆り立てる。もちろん、すべての人間がそうなるわけではない。だが問題は、それに立ち向かおうとする者たちでさえ、同じ欲求から逃れられなかったことだ。安全と安定への渇望は、彼らの内で正義の姿をとった。人類がいつか悲劇の歴史を乗り越え、正義を実現できるという希望の形をとった。あるものは科学や哲学の知識の海へ深く潜った。深く深く――そのうち彼らは目分がいったい何を探求していたのかを忘れ、知の女神と戯れたまま戻らなかった。あるものは地表を目指し、混沌から離れて闘いの道を選んだ。しかし正義をなすというゴールを定めた時点で、彼らの歩みもまた現実のまぎれもない罪だ。思考を放棄して享楽の海に浸るのも、こんな時代に希望を語ることこそが罪なのだと。悲劇は生命の歴史そのものの、絶ゆまぬ変化そのものだ。人間が引き起こす破壊があまりにも巨大で、そのたび生まれてくるはずの再生と創造の芽を、ほとんど摘み取ってしまうことだ。ならばわたしがすべきなのは、われわれの破壊と死の物語を、再生と創造に開かれた悲劇へ戻すことではないか。これまでこの星で繰り返されてきた、ありふれた生命の物語に。
(p275~276)

AはアセクシュアルのA

Aro/Aseの本をこれまで何冊か読んでみた感じ、どの本にも書かれているような共通項的な話はなんとなくだけど理解できて、大枠の話をこれ以上本で読んでもなって感じでもあったのだけど、当事者である川野芽生さんの個人の目線の話ということで読んでみた。

まず川野さんの場合若い頃からはっきり自認や社会に対する違和感があったらしく、そうなるとどうしても上に書いたような概要的なわかりやすい話と、それについての恨みつらみのようなメッセージが多く目に入ってきてしまい、自分みたいに明確に自認するほどでもない曖昧な立ち位置でさまよってる人の話を読みたいんだよなと少しなってしまった。

ただそれでも読み進めてみると、そういう微妙な立場の気持ちも包摂してくれるような言葉が多々あって助かった。これだけはっきり自認する人であっても迷いとか曖昧さに悩む場面があるのだなということがわかると、そういうどっちつかずの状態であることに対して「自分そんなはっきり言いきれるもんでもないんで」みたいに卑下というか自分を下に見積もることもないのだよなと思わせてくれるというか。結果読んでよかったと思える本だった。

独身者が「人格に問題がある」とみなされること。
恋愛や性行為をしないと「子供っぽい」「精神的に成熟していない」と言われること。
他者に恋愛的に惹かれない人が「心が冷たい」「感情がない」と貶められること。
他者に性的に惹かれない人が「ほんとうは相手を愛していないのだ」「自分勝手だ」と責められること。
当人の望まない行為(交際や性行為など)を「したくないなんてあり得ない」「してみればわかる」と強いられること。
他者に恋愛的に、または性的に惹かれないという、当人にとってはごく自然な状態が、病気やトラウマの表れだと断定されること。
それが病気でもトラウマの表れでもないと言えば「嘘つき」「自分を客観視できていない」と決めつけられること。
それが自分の性的指向・恋愛的指向なのだと言えば、「マイノリティになりたがっている」「注目されたいだけ」と謗られること。
それらが差別でなくてなんであろう。
( p152~153)

パリ~ルーベ

通称「クラシックの女王」、またの名を「北の地獄」というボッコボコの石畳区間を走るワンデークラシックレース。とにかく石畳でトラブルが起きることが普通のレースなんだけど、この日はトラブル続出も続出、優勝候補のポガチャルもワウトもマチューもみんなどこかでパンクやらなんやらのメカトラブルに見舞われて大変だった。

特に3連覇中だったマチューに至っては勝負どころのアランベールでパンク、しかも代わりとして 差し出されたフィリプセンの自転車はペダルのクリートが合わずで更に遅れ、ようやく別のチームメイトからホイールだけ交換してもらってようやく再発進した時には他の優勝候補たちを含む先頭集団から2分以上も遅れてしまう事態になりほぼジ・エンド。

こうなってしまうと序盤にパンクこそしたものの無事リカバーして先頭を飛ばしていた絶好調のポガチャルがまた優勝してモニュメント全制覇してしまうのかと思いきや、そんなポガチャルに苦しい箇所でも遅れることなく最後まで食らいついたワウトがスプリントを制して悲願の初優勝という世界中のサイクルロードレースファンと関係者が感涙必死の結末でした。

なぜワウトが勝って皆感涙なのかってのは色々あるんだけど、ざっくり言えばまずワウト・ファンアールトという選手がスプリントも強くて山も走れるスーパー強い新世代のヒーローでグランツールのステージこそ印象的な勝利をしてきたにも関わらず、本命視されてるレースでも2位続き、調子よかったシーズンも途中で怪我に見舞われてアウトしてしまったりと、自身のタイトルにはなかなか恵まれてこなかったのがようやく、しかも稀代の化け物ポガチャルを破って……っていう文脈のアレです。

ちなみに遅れに遅れたマチューは最終的に及ばずも4位でゴールして、こどもの頃からのライバルだったワウトを爽やかに祝福していてやっぱりスターなのであった。

そのほか

  • ナオヒロックさんの訃報にびっくり。って知り合いでも何でもないんだけど、いつかの終日ONEでやった4N忘年会ではきっとご迷惑をおかけしていたりしたはずなんだよなと思うと、決して遠からぬ感じもあるにはある。合掌
  • バンバータの訃報も。
  • 牧野真莉愛さんがモーニング娘からの離脱を発表というニュース以上に在籍年数がもう12年だったことにビビる。
  • 『ハッシュ!』と『ぐるりのこと。』の4Kリマスター版が公開らしくて歓喜。というか今年あの時期の映画のリマスター版が公開されまくるっていうのを知り、それはそれでなんだか。
  • UFCは会場にトランプの馬鹿が来ていたので流石に観ず。
  • RIZINは福田の負け方が結構ショックでした。